まだまだ、残暑が厳しく各地で真夏日の最多を更新している昨今ですが、秋も近づいてまいりました。秋と言えば、『食欲の秋』、『芸術の秋』、『スポーツの秋』、『読書の秋』
…様々な『○○の秋』があります。今回はそんな『○○の秋』についてご紹介します。
『○○の秋』の由来とは?
『○○の秋』と呼ばれるのはなぜか…
秋は気温が18度前後と、とても過ごしやすい気候となるため、物事に集中するには最適な季節です。このことから秋は何をするにももってこいの季節と言われています。
夏は暑いからやる気が…冬は寒くて体が動かない…なら春でもいいじゃん…
ひねくれた筆者はそう思ってしまうのですが、春は新学期や新年度が始まる時期で余裕がないなどの理由でそう呼ばれないそうです。
時間的にも気候的にもちょうどよいのが秋ということです!
『芸術の秋』
芸術に季節は関係ないのでは…?と思ってしまうのですが由来はちゃんとあります。
芸術はなぜ秋なのか…理由は主に2つと言われています。
理由①…雑誌『新潮』
今から約100年前の発行された雑誌『新潮』の中で「美術の秋」という記載があったことが由来とされています。
現在は、「新潮」「週刊新潮」「芸術新潮」「小説新潮」など様々な分野に分かれ発行されている歴史ある雑誌です。興味のある方は是非チェックしてみてください!
理由➁…美術展の開催時期
2つ目の理由として、秋には大きな美術展が多く開催されることからと言われています。
また制作活動も秋になると活発に行われるためそう呼ばれるようになったみたいです!芸術家の方もやはり過ごしやすい気候の方が制作意欲もわいてくるようですね!
『スポーツの秋』
気候的に体を動かしやすいのでなんとなくイメージがつく『スポーツの秋』。
その由来は1964年に開催された「東京オリンピック」をきっかけだと言われています。
記憶に新しい2020東京オリンピックはコロナ禍とも重なり1年遅れでの開催となりまし。夏季オリンピックやはり夏のイメージが強いですが、1964年の東京オリンピック、実は秋に開催されたのです。
なぜ秋開催になったかというと当時の準備委員会は開催時期を3つの案で提出。春(5~6月)、夏(7~8月)、秋(10月)の3案の中で当時の日本の夏の湿度は欧米では全く経験できないもので最も忌避され、気候が比較的穏やかな春と秋が残り、当時の気象データで晴れの出現率が多かったのが10月だったため秋開催が決まったと言われています。
また東京オリンピック開催日である10月10日を「体育の日」に制定し、国民でスポーツを楽しむという風潮が生まれたことが『スポーツの秋』の由来となります。
『読書の秋』
暑さが和らぎ集中しやすい気候だから…というだけでなくちゃんと由来が存在している『読書の秋』。
読書の秋を広めたのは「夏目漱石」と言われています。
8世紀頃、唐王朝時代に活躍した韓愈(かんゆ)という詩人が記した
「時秋積雨霽 新涼入郊墟 燈火稍可親 簡編可卷舒」(秋になって長雨が終わって空も晴れ、涼しさが丘陵にもきている。ようやく夜の灯に親しんで、書物を広げられる)」
という詩を「夏目漱石」が1908年に発表した小説「三四郎」の中で引用したことで秋は読書するイメージが日本中に広まり、『読書の秋』という言葉が定着したと言われています。
また1947年から始まった「読書週間」も『読書の秋』の由来とされています。
「読書週間」は10月27日~11月9日までの2週間にわたり、読書を推進する行事が集中して行われる期間のことを言います。
当時は戦後まもなく、まだ各地に戦争の傷跡が残っていた時代であったため、「読書の力によって平和な文化国家を創ろう」をコンセプトに開始されました。
秋の夜長に読書で心穏やかに過ごす。そんな過ごし方もいいですね。
『食欲の秋』
『○○の秋』と言えば真っ先に思い浮かべるのが『食欲の秋』。という方も多いのではないでしょうか。
現代では栽培技術が向上しハウス栽培などで季節に関わらず野菜などが食べられる時代になりましたが、昔は秋しか食べられない作物や秋に作物が実ることから『食欲の秋』と言われているという説もあります。
また、科学的視点からの説もあります。
理由①…幸せホルモン「セロトニン」の分泌
人は日光を浴びる時間が少なくなると「セロトニン」と呼ばれるホルモンの分泌が少なくなります。セロトニンには人の心を安定させる作用と、満腹中枢を刺激して食欲を抑える働きがあり、秋は夏と比べ急速に日照時間が少なくなる為、セロトニンが減少することで食欲が増します。これが秋になると食欲が増す科学的根拠と言われています。
理由➁…基礎代謝の向上
人は寒さを感じると体内に取り込んだエネルギーや脂肪を燃焼させることで体温を維持しようとします。結果、体温維持にエネルギーが消費され、消費された分を食事で補おうと食欲が増すと言われています。
理由➂…エネルギーの貯蓄
冬は生物も植物も眠りに入る時期であり、冬眠の為に食欲を増してエネルギーを確保しようとする生物の本能的な行動から来ていると言われています。
理由➃…夏バテからの回復
人は、自分の体温に近い気温程つらく感じやすく、気温が体温を超えると体の熱を発散できず食欲不振や疲労という形で現れます。いわゆる「夏バテ」というものです。
秋になるとダメージを受けた体が回復し食欲が戻ることで、増したように感じるためとも言われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は『○○の秋』の由来について紹介しました。
今回紹介した中で筆者は『食欲の秋』のイメージが強いですが皆さんはいかがでしょうか?
栽培技術が向上し季節を問わず食物が食べられる時代になりました。現在も栽培技術は向上し続け自動化、省力化が進んでいます。
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