Case Study 事例紹介
ターゲットを絞り、心を掴む広告
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男子求む。(探検隊員求む)。
至難の旅。
わずかな報酬。
極寒。
暗黒の月日。
絶えざる危険。
生還の保証は無し。
成功の暁には名誉と賞賛を得る。
アーネスト・シャクルトン
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上記は1900年ロンドンの新聞の片隅に掲載された広告の一文です。
これは人類初の南極大陸横断成功に向けた隊員募集の広告なのですが、これがいわゆる「求人広告」においても世界初のものとされているようです。
そして、このとんでもなくネガティブな情報を赤裸々に示したこの求人広告には、約5000人のからの応募があったそうです。
これは、現代の求人広告にも大きな気づきを与えてくれます。
1. ターゲット設定とペルソナ
この広告は、「どんな過酷な事態にも前に進める強靭な精神」を持った人材という明確なターゲット設定に基づいています。広告文は、そのターゲットに刺さる最上のキャッチコピーであり、応募を絞り込むことで、本当に採用したい人材に直接呼びかけ、ハートを掴むことに成功しました。
2. 応募数よりも質
求人広告の目的は、応募数を増やすことではなく、必要な人材を獲得することです。ターゲットを絞ることで応募数は減りますが、その分、質の高い人材が集まります。
3. インパクトのある広告
何万人といる人の中からたった1人に注目してもらうためには、ターゲットを見極め、インパクトのある言葉での訴求が必要です。
現代の求人広告への教訓
1. 簡単さだけをアピールするのではなく、真実と魅力を伝える
求人広告には、「簡単なお仕事」「すぐに覚えられる」など、「簡単」という言葉がよく使われます。しかし、実際には簡単な仕事ばかりではないにも関わらず、このような訴求がされることは珍しくありません。
また、求職者にとっては「何が簡単なのか」が不明確で、不信感を招く可能性があります。真実と魅力のバランスを意識し、応募者の視点に立って広告を作成することが重要です。
2. ターゲットを明確化し、ペルソナを設定する
誰に何を伝えたいかを明確にすることで、効果的な求人広告を作成することができます。
働く上で「やりがい」や「達成感」なども重要です。単に簡単な仕事ではなく、働く動機となるような魅力を伝えることが重要です
3. ハードルを高く設定することで、より優秀な人材を得る
あえてハードルを高く設定することで、応募者の質を高めることができます。
まとめ
100年前の求人広告は、現代の求人広告にも通じる重要なポイントを教えてくれます。ターゲットを絞り、真実と魅力を伝える広告は、応募数を減らすかもしれませんが、質の高い人材を獲得することに繋がるのです。